解体工事を始めるには、解体工事業登録申請が必要になります。
これから解体工事を始める方に向けて解体工事登録申請などの許認可についてご説明していきます。
こんな方に読んでほしい!
・解体工事を始めたい方
解体工事業とは、建設業のうち建築物等を除去するための解体工事を請け負う営業のことをいいます。
なお、建築物等の除去を伴わない電気工事、設備工事、維持修繕工事、舗装工事等の工事を行う事業は含ませません。
解体工事業を営む方は、金額に関係なく登録する必要があります。
ただし、土木工事業、建築工事業又は解体工事業に係る建設業許可を取得している方は登録の必要はありません。
登録の有効期間は5年間となっており、期限を迎える30日前までに更新の手続きが必要となります。
登録を受けるためには、欠格要件に該当していないことと技術管理者を選任することが必要になります。
@所定学科+実務経験
高校又は中高一貫校で土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を卒業した場合には、卒業後4年以上の実務経験が必要になります。
大学又は高専で土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を卒業した場合には、卒業後2年以上の実務経験が必要になります。
ポイント! 実務経験とは
解体工事の施工に関する技術上のすべての職務経験のことを言います。
ただし、単に解体工事の雑務のみの経験年数は含みません。
以下実務経験の内容は同じ。
A実務経験
8年以上の実務経験を積むことが必要になります。
B資格取得
技術管理者になれる資格は以下の通りです。
建設業法(技術検定)
1級建設機械施工技士
2級建設機械施工技士(種別第1種または第2種に限る)
1級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士(種別土木に限る)
1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(種別建築または躯体に限る)
建築士法(建築士試験)
1級建築士
2級建築士
職業能力開発促進法(技能検定)
1級(検定職種とび・とび工に限る)
2級(検定職種とび若しくはとび工に限る)+実務経験1年以上
技術士法(技術士試験)
第2次試験のうち技術部門が建設部門に限る
国土交通大臣登録試験合格者
解体工事施工技士
C所定学科+実務経験+講習
高校又は中高一貫校で土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を卒業した場合には、卒業後3年以上の実務経験と(公社)全国解体工事業団体連合会が実施する講習を受ける必要があります。
大学又は高専で土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を卒業した場合には、卒業後1年以上の実務経験と(公社)全国解体工事業団体連合会が実施する講習を受ける必要があります。
D実務経験+講習
7年以上の実務経験を積むことと(公社)全国解体工事業団体連合会が実施する講習を受ける必要があります。
建設工事に伴い発生する廃棄物の処理の責任は、元請事業者にあります。
元請事業者から解体工事を請負い、解体工事で発生する廃棄物を廃棄物処理施設へ運搬することも依頼させた場合には、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。
許可なく運搬することは、法令で禁止されているため解体工事業で開業される場合には、許可が必要になるか検討しましょう。
500万円以上の解体工事を請負う場合には、建設業許可が必要になります。
契約金額を分割して500万円未満にしても合理的な理由がない場合には、同じ工事として判断するため、建設業法に違反してしまいます。
500万円以上の工事が発生する可能性があるか検討し、許可が必要であれば建設業許可を取得しましょう。
以上で解体工事を始めるにあたり必要になると思われる許認可について解説させて頂きました。
法令遵守し適正な事業活動をしていただければと思います。